環境庁
ヘール・ボップ彗星
ライトダウンキャンペーン
平成9年4月1日〜6日
主催:環境庁、「星空の街・あおぞらの街」全国協議会、日本環境協会
- 四日市北遊技場組合(三重県四日市市八田)
パチンコ店を総括している、組合に、ライトダウンは行われるのか、聞いてみた。
以前に、環境庁が、全国の遊技場組合にライトダウンのお願いをして、組合の新聞に紹介してもらったとのことがあり、それが
どれだけ効力を持っているか試すためといえる。
この四日市北の組合にも、「全日遊連」というところから、ポスター・印刷物とともに連絡をもらったとのことなので、
組合に入っている全店に、そのポスター・印刷物を配布し、ライトダウンの呼びかけをしたとのことである。
それ以後は、各店の判断に任せるという形にしたとのことで、
この組合では、前向きに検討していた。
じゃあ、パチンコ店ではどのように対応するのか、
以前に電話して聞いたことのある中から、一件かけてみた・・・
- フジプラザ四日市店(三重県四日市市白須賀=パチンコ店)
結論から言えば、ライトダウンに協力するとのこと。
しかし、その対応はどうだ。
「何時からどのようにするとかは言えない。気になるのであれば、実際に見ればいい。
とにかく、あんたが満足できるくらいの消灯はしますんで・・・ぶちっ」・・・
このような回答であった。これは、4月1日から、どのようになるのか、見守るべきところである。
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ナガシマスパーランド(三重県桑名郡長島町=大規模遊園地・温泉)担当:山本様(企画部)
期間中、大たい5時半頃にこの遊園地が閉園するとのことなので、6時半頃からのライトダウンを要求しました。
FAXで、環境庁からの資料を送ったところ、「ハレー彗星のときにもそのようなことがありまして、
その時に、大観覧車のオーロラのサーチライトを消しましたので、今回もそのようにしたいと思います」との回答を得た。
残念ながら、ハレー彗星のときには、この観覧車、なかったので、多分、僕が去年要求した「百武彗星」のことだろう。
まぁ、何といっても、この遊園地内で一番明るい光を放つ、大観覧車のサーチライトを午後6時半以降、消してもらう事になった。
- 四日市コンビナート群(四日市市商工会議所)
四日市の象徴、コンビナート。
いろんな工場が建ち並び、煙突が立ち並ぶ。
ここには、いろいろありすぎて、照明もたくさんあり、むちゃくちゃ明るい。
そこで、四日市工業会のある商工会議所に要求してみた。
しかし、「コンビナートの光は、必要最小限でつけているわけで、無駄な光は全くない。
事故が起こったりしないように、防災上で、必要なライトであり、消すことはできない。
また、照明のシステム的に間引きをしたり、光を弱めたりすることは不可能です」ということであった。
確かに、照明の一つをとれば、そう明るい照明ではない。
しかし、たくさん集まれば、回りには、非常に明るくうつってしまう。考慮が必要だと思います。
- マイカル桑名(三重県桑名市=大型スーパー)担当:坂口様
桑名にできた、大型スーパー、ここには、大きなデパートのほか、
映画館も何個もあり、ボウリング場など、なんでもありの、1日遊べるショッピングセンターだ。
ここは、建物のライトアップや、看板のライトアップなど、著しい量の光を放っている。
で、この光が少しでも弱められないものかと、要求してみた。
翌日になっても回答の電話がかかってこないので、こちらから電話したところ、
「こちらも営業ですので、話し合いましたが、ライトダウンには協力できないことを理解してください」という回答だった。
こっちも、そりゃ無理を承知で頼んでいるわけで、建物のライトアップだけでも・・・といっても、
回答は同じだった。
位置的にいえば、このマイカルのために、名古屋方面(南部)からの彗星観望が難しいといえよう。
- ジャスコサンリバー店(三重郡川越町=ショッピングセンター)担当:小黒様
サンリバーという、ジャスコも入っているショッピングセンターにも要求してみた。
ここは、屋上にある、大きな「JUSCO」の看板が蛍光燈で照らされる。
担当の方にその話をすると、「以前からそういうものがあるのを知っていたので、
こちらも独自にしようかと思っていたのですが、依頼がきていなかったのです。」
ということで、要求を受け入れていただいた。
それも、正式な要求をしたのは、4月1日の午後6時ごろだったが・・・
そのライトダウンの結果は・・・?
- パチンコ店
- フジプラザ四日市店(四日市市)
家から見る限り、夜空にまわしているサーチライトはなかった。
おぉ、すごいと思い、現地に行ってみたら、「店舗・駐車場改装のため、閉店中」と書いてあった。
ってことは、昨日言っていたことは、嘘だったのか!
- エバ東店(桑名市)
大桑国道沿いのこの店、行ったときは、もう営業が終わっていたが、
家から見たところによると、ここにもある、夜空に向かってまわしているサーチライトはなかった。
で、店の入り口に、「全日遊連」による、ライトダウンのポスターが貼ってあり、
ライトダウンに協力しているのだなと感じた。
- ナガシマスパーランド(長島町)
午後6時半に、ここのだい観覧車「オーロラ」を見たところ、外に放たれている
サーチライト(キセノンランプ)は消えていた。
また、園内が全体的にくらい印象を受ける。ホワイトサイクロン(木製コースター)のライトアップも弱くなっているようである。
- コンビナート(四日市市)
通常と何ら変わりなく、たくさんの光が空に放たれていた。
- マイカル桑名(桑名市)
通常と何ら変わりなく、午後11時の最後の施設の閉店まで明々とライトアップされていた。
- ジャスコサンリバー店(川越町)
ライトダウンの正式な申し入れをしたのが、午後6時ごろだったにもかかわらず、
そのまま、その日、屋上にあるJUSCOの看板のライトをつけないという措置をしてくれた。
と、このように、個別に要求しました。
でも、もっとたくさんの方に、このキャンペーンを理解してもらいたいのです。
ということで、4月3日、中日新聞朝刊の北勢版(三重県北部)にこのキャンペーンの呼びかけの記事をかいてもらいました。
その記事は、上記の要求した事例を紹介し、
「ライトダウンで、街中でも肉眼で彗星のほうきの尾が見える。
ぜひ多くの店舗や企業に、協力を」というコメントが添えてある。
(記事の大きさ、縦14×横11センチ)
中日新聞に掲載された文章
しかーし、世の中そんなに甘くはなかった。
ライトダウンキャンペーン期間中(4月1日〜6日)、晴れたのは、4月1日だけだった・・・。
なぜライトダウンが必要か
「光害」と書いて「こうがい」と読む。
これは、地上のサーチライトなどの光りによって、いろいろな影響を受ける事である。
僕たち、天文のものとしては、「星空が見にくくなる」という害を受けるが、
実は、それだけでなく、生物や植物たち、生態系にも多大な影響を与える事が分かっている。
また、日本は、世界の中でも、一番無駄な光を空に放っている。
ひまわりが撮った、夜の世界地図では、日本列島が光の海でくっきりと浮き上がっているのだ。
そんな状態でこのまま未来へ向かっていくと、これから日本はどうなっていくのか、
無駄な電気のために、安全性に大きな問題のある原子力発電所をたくさん作ったり、
残り少なくなってきた石油を使い、火力発電所を動かさなければならなくなってくる。
結局、最後には、自分たちにつけが回ってくるだけである。
最近、原子力発電所反対の声が高いが、その前に、あまり電気を使わなければいい、と思わないのだろうか・・・
もちろん、僕も原子力発電所建設には、大反対ですが。
いろんな問題を引き起こす、この「光害」という公害、
ただ、僕らの団体としては、星空が見にくいということに重点を置き、
まずは回りから攻めていこうと、取り組むことになった。
そこで今回、環境庁が企画した「ライトダウンキャンペーン」に全面協力し、
ライトダウンの要求をするにいたった。
ヘールボップ彗星ライトダウンキャンペーンは終わってしまいましたが、
まだまだ彗星は観測可能です。
どうしてもこの光が気になる!というものが身の回りにありましたら、
ぜひ、この電子メールでご連絡ください。
その場合は、その施設名、住所・電話、またどのような感じで光が出ているのか、教えてください。
あなたに変わって、こちらでライトダウンの要求をします。
地域は限定しません。日本全国どこの施設でも、気になる光の発生元を教えてください!
光害については「わかばだい天文同好会」よりいろいろなアドバイスをいただいております。
ぜひ、光害についてのこのページをご覧下さい。よく分かると思います。
また、NTTのページも、とても分かりやすいです。
Go!→どっ天迷会のページでの「光害の取り組み」もう少し詳しく!